邦画初の現役総理大臣のドキュメンタリー「パンケーキを毒見する」（2021年）の内山雄人監督と制作スタッフが〝日本の真の影〟に切り込んだ政治ドキュメンタリー。企画プロデュースは、元経済産業省改革派官僚の古賀茂明、ナレーションは古舘寛治が務める。

かつて、「昭和の妖怪」と呼ばれた政治家がいた。その名は、岸信介。歴代最長在任総理大臣・故安倍晋三が心酔していた母方の祖父である。彼は、祖父である岸を超えるべく、タカ派的な外交政策とアベノミクスと名付けられた経済政策、そして「特定秘密保護法」（2013年）や「安全保障関連法」（2015年）など、これまで誰もなしえなかった施策を次々と成立させる。総理退陣後もキングメーカーとして影響力を維持していたが、2022年7月8日、参議院選挙の応援演説中に凶弾に倒れる。憲法改正をはじめとした戦後レジームからの脱却を最大の目標に、歴史と独自の文化を誇る瑞穂の国を守ると謳っていた安倍元首相。彼がもたらしたのは〝美しい国〟か、〝妖怪の棲む国〟か。

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