タワマンを通して見る「今の東京」外山薫「息が詰まるようなこの場所で」
みなさんはタワーマンション(以下、タワマン)という言葉を聞いて、何を思い浮かべますか? 成功者やエリートサラリーマンか、はたまた東京のギラギラした夜景か――。 「息が詰まるようなこの場所で」は、タワマンの低層階と高層階に住む家族にフォーカスを当て、東京で生きるということの息苦しさや葛藤を等身大で描いた群像劇です。タワマンに住む人々は何を思い、暮らしているのか。本書を読むことで、彼らのリアルな日常を垣間見ることができます。 コンプレックスを抱いたさやか 第一章の主人公は大手銀行の一般職として働く平田さやか(42歳)。社内結婚した総合職の夫を持ち、PTAで会計係を押し付...
山崎悠里
2023.5.24