特選掘り出し!:「やまぶき」 諦めず咲かせる未来
日の当たりにくい場所にしか咲かない花をモチーフに、資本主義や家父長制に翻弄(ほんろう)されながらも、ささやかに抵抗する人々に焦点を当てた。岡山・真庭でトマト農業を営む山崎樹一郎監督の長編3本目。真庭を中心に16ミリフィルムで撮影を行った。5月にあったカンヌ国際映画祭ACID部門に日本映画として初選出されるなど、海外の注目も高まっている。 韓国で乗馬競技のホープだったチャンス(カン・ユンス)は借金を負い、真庭の採石場で働いている。刑事の父と暮らす女子高生、山吹(祷キララ)は戦場ジャーナリストだった亡き母の思いを受け継ぎ、交差点でサイレントスタンディングを始めた。小さくても声を上げ続ければ、誰か...