特選掘り出し!:「歩いて見た世界」 自然と人間、思索の旅路
パタゴニアや中央オーストラリアなどの紀行作家ブルース・チャトウィンが歩いた道や見てきた世界を、生前に親交のあった「アギーレ・神の怒り」の映画監督ヴェルナー・ヘルツォークが自身の足でたどったドキュメンタリー。7月29日に閉館する岩波ホールの末尾を飾るにふさわしい作品だ。 チャトウィンは、祖母の家にあった〝ブロントサウルス〟の毛皮をきっかけに人類史や考古学に関心を抱き、自らの足で旅をしながら小説を書く作家になる。歴史や自然、人間への敬意と探究を極めていく軌跡をヘルツォーク監督とともに見つめながら、ノマド(放浪者)にひかれていくチャトウィンの生きざまを映し出し、定住生活との違いを示す。 映像は壮...