「ネクスト・ゴール・ウィンズ」 世界最弱のサッカー代表チームがもぎ取った初勝利
面白いスポーツ映画の定石は、王者より負け犬に光を当てること。その点、南太平洋に浮かぶアメリカ領サモアのサッカー代表チームの弱さは並外れていた。2001年のサッカー・ワールドカップ・オセアニア予選で豪州代表に0-31の記録的惨敗を喫し、FIFAランキング最下位の同国は、まさに世界最弱の代表チームだった。そんな米領サモアが新たに赴任したトーマス・ロンゲン監督の指導で一念発起し、11年の予選で初勝利をもぎ取った実話の映画化だ。 公私に問題を抱えたロンゲン(マイケル・ファスベンダー)はかんしゃく持ちの孤独な男。チームの面々もトランスジェンダーの選手、豪州戦で心に傷を負ったゴールキーパーなど個性派ぞろ...