Georges Simenon
1903年2月12日 生まれ
小説家原作:「可愛い悪魔」(1958年)原作:「メグレと若い女の死」(2022年)
ジョルジュ・シムノンの「メグレ警視」シリーズ、久々の映画化である。かつてシムノン原作の「仕立て屋の恋」を手がけたパトリス・ルコントが監督を務めた。1953年、パリ・モンマルトルのバンティミーユ広場で若い女性の刺殺体が発見される。捜査を担当するメグレ(ジェラール・ドパルデュー)は、わずかな手がかりをたどり、被害者の身元さえわからない事件の真相に迫っていく。 愚直に現場主義を貫くメグレの視点で進行する映像世界には、今どきのクライムスリラーのような激しい見せ場は一切ない。娘を亡くしたつらい過去を持つメグレが、地方出身者である被害者の境遇に寄り添い、事件にのめり込んでいく姿を描出。パリの裏町が寂れた...
2023.3.17
「肉体の悪魔」(1947年)や「赤と黒」(54年)を手がけたクロード・オータン=ララ監督によるクライムサスペンス。恵まれない境遇から非行に走る若い女性と、彼女を自分のものにしようと危ない橋を渡る弁護士の姿を通してブルジョワの欺瞞や悲哀を映し出す。ブリジット・バルドーが、名優ジャン・ギャバンとの共演で新境地を見せた作品。 お金に困っていたイヴェットは、女友だちと老夫妻が営む時計店へ強盗に入り、騒ぎ立てる妻を工具で殴りつけて逃げる。女友だちは逮捕されるが、イヴェットは罪を逃れようと、高名な弁護士アンドレ・ゴビヨを頼る。アンドレは、彼女を弁護するうち彼女に恋するが…。 2024年9月13日より新...
「仕立て屋の恋」(1989年)や「髪結いの亭主」(1990年)で知られるフランスの名匠パトリス・ルコントの最新作。ジョルジュ・シムノンの代表作であるメグレ警視シリーズから、1954年に発行された「メグレと若い女の死」を原作に描くヒューマンミステリー。 ある日、モンマルトルのヴァンティミーユ広場で発見された身元不明の若い女性の刺殺体。この事件の捜査を依頼されたメグレ警視は、唯一の手がかりである血塗られた高級ドレスを手がかりに捜査を進めていく。彼女がどうして殺されなければいけなかったのか、彼女はどんな人生を送ってきたのか、都会へと出てくる多くの女性たちに降りかかる都会の闇が見えてきたとき、メグレ...