時代の目:「オルガの翼」 故郷の惨状、少女の葛藤
ロシアのウクライナ侵攻から半年。今回の侵攻と切り離せない2013年に起きた市民運動、ユーロマイダン革命を背景とする物語だ。市民の置かれた状況と強い意志、登場人物のセリフや感情、反応など、現在のウクライナの人たちの惨状と恐ろしいまでに深く重なり合う。 オルガはキーウに住む15歳の体操選手。親ロシアのヤヌコビッチ大統領の汚職や圧政を追及するジャーナリストの母とともに何者かに命を狙われる。オルガは安全のため、父の故郷スイスのナショナルチームに移籍するが、故郷の惨状に胸を痛める。 オルガの視点から描いたことで身近で理解しやすいものになった。若者の不安と悩み傷つく姿、チーム内での葛藤や挫折を織り込み...