この1本:「皮膚を売った男」 展示された難民の熱情
第34回東京国際映画祭が8日閉幕した。本作は、昨年の「TOKYOプレミア2020」出品作品。映画祭での上映が評判を呼び、公開が決まったという。こうした形は映画祭の役割の一つであり、観客にとっても望ましい限り。映画祭から一般公開への流れは「東京」でも、近年広がりつつあり、歓迎したい。 シリアに暮らすサムは、恋人アビールへのプロポーズの言葉が国家反逆罪とみなされ投獄される。アビールは親が決めた外交官ジアッドと結婚。シリア難民となったサムは、偶然出会った芸術家ジェフリーから、大金や自由と引き換えに、背中にタトゥーを施し、生けるアート作品となることを持ちかけられる。 現代アートの自由さとシリア難民...