オートクチュール
エステル(ナタリー・バイ)は、クリスチャン・ディオールのアトリエの責任者として働く引退間近のお針子。ある日、地下鉄でアラブ系移民2世の若い女性ジャド(リナ・クードリ)らにひったくりに遭う。ジャドはかばんの中に身分証明書を見つけ、返しにいく。エステルは怒るが、ジャドの繊細な指を見てアトリエに来ないかと誘う。 職人肌の技術者と才能ある若者のぶつかり合いや和解は、決して新味のある物語ではないが、バイらの安定した芝居や丁寧に描かれる手仕事に引き込まれる。登場人物はいい人ばかりで現実はもっと厳しいだろうし、お仕事映画としてももうひとひねりほしかったが、パリ郊外の団地や移民家庭の暮らしぶりも垣間見えて興...