チャートの裏側:今風「不良性感度」の鉱脈
映画界に「不良性感度」という言葉があった。映画の内容やテイストを表す。俳優の資質を指す説もあり、定義は少々ややこしい。東映のヤクザ映画が盛んな頃、よく使われた。アウトロー、暴走族、スケバン映画、一部のポルノ映画などにも及び、意味する範囲は結構広い。 すでに死語だろうが、新作の「東京リベンジャーズ」を見て、あえて引っ張り出したくなった。本作は、スタート3日間で興行収入が7億円弱だ。堂々たる大ヒットと言っていい。邦画は、昔から「不良性感度」映画が得意だ。このジャンルは時代を超えるのかと思った。 2010年ごろの不良高校生たちの抗争劇を描く。ただ、やはり今の時代である。20年を起点にしたタイムス...