「どん底作家の人生に幸あれ!」
文豪チャールズ・ディケンズの半自伝的小説の映画化だ。ビクトリア朝時代のイギリスが舞台。デイヴィッド(デブ・パテル)は継父の暴力に反抗し家から追い出され、ロンドンの瓶詰工場に送られる。青年になったデイヴィッドは最愛の母の死を知り、自分の人生を取り戻そうと工場を抜け出して伯母のベッツィ(ティルダ・スウィントン)の家に駆け込む。 ここまでは、まだまだ物語の序盤。デイヴィッドの半生を彩る風変わりな人物たち、友情や恋愛、貧困や嫉妬など怒濤(どとう)のような変幻自在の展開で飽きさせない。不遇な過去や倒産、駆け落ちなど一つ一つは深刻でも、コメディーセンスの良さ、明るい色調、登場人物のキャラクターのおかしさ...