ジャリカットゥ 牛の怒り
暑い日には熱い映画を。インド発、超高熱量の怪作だ。 南インドの村にある肉屋のアントニがナタを振り上げると、水牛が逃げ出した。牛は村人を突き飛ばし銀行に飛び込んでメチャクチャにし、畑を荒らして走り回る。 牛が凶悪凶暴とか、追っ手が次々と血祭り、といった展開ならモンスター映画だが、牛は1頭、逃げるだけ。物語が進むうちに牛は次第に脇役に追いやられ、異様さを増していくのは追っ手の方だ。 村の男たちばかりでなく近隣からも人が集まり、アントニと因縁のある乱暴者のクッタッチャンが、討伐のために呼び戻されて熱気は一段と高まる。夜になるころには大群衆となり、たいまつを掲げてジャングルを埋め尽くす。 誰も...