「藁にもすがる獣たち」
曽根圭介の同名犯罪小説を原作にした韓国映画である。事業に失敗した中年男ジュンマン(ペ・ソンウ)が、バイト先のサウナ店のロッカーで大金入りのバッグを発見。それをきっかけにヤミ金からの借金に苦しむ出入国管理官テヨン(チョン・ウソン)、暗い過去から逃れようとしている美女ヨンヒ(チョン・ドヨン)、夫のDVに苦しむ主婦、不法滞在者の若者らの人生が交錯していく様を描く。 そろいもそろって欲望まみれの登場人物たちが、人間の醜さ、弱さ、愚かさをさらけ出しながら、破滅への道を転がり落ちていく。序盤にとっちらかった複数のエピソードを、巧妙に時間軸をずらしながら束ねていくストーリーの語り口は、尻上がりの面白さ。韓...