時代の目:「アトランティス」「リフレクション」 戦争が砕く人間の精神
先ごろ公開されたセルゲイ・ロズニツァ監督の「ドンバス」に続き、ウクライナの戦禍を描いた2作品を緊急公開。ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ監督が手がけた「アトランティス」(2019年、1時間49分)と「リフレクション」(21年、2時間6分=写真)だ。 「アトランティス」はロシアとの戦争が終結した25年を舞台にした近未来映画。生きる目的を失った元兵士の彷徨(ほうこう)を描く。マリウポリの製鉄所の風景、サーモグラフィーカメラを用いたショットが鮮烈なまでに脳裏に焼きつく。 戦争の火蓋(ひぶた)が切られた14年にさかのぼった「リフレクション」は、東部戦線から首都キーウ(キエフ)に帰還した外科医の物語。...