浜の朝日の嘘つきどもと
福島県南相馬市の映画館「朝日座」。支配人の森田保造(柳家喬太郎)は原発事故やコロナ禍で経営が行き詰まり閉館を余儀なくされる。そこに突然、茂木莉子(高畑充希)と名乗る女性がやってきて「潰れたら困る」と立て直しに向けて奔走し始める。 映画館の存亡をめぐり莉子らが右往左往する物語に、莉子と恩師の田中茉莉子先生(大久保佳代子)との師弟愛を絡ませた。親友であり、大人と子供のようでもある2人の疑似家族の関係がさわやかで心地よい。不器用だけど実直で世の中とうまく折り合えない男女に優しい目を向けてきたタナダユキ監督らしさが全開。全編を通じて、緩いけどゆるぎのない映画愛にあふれている。終盤はセリフも過多で夢見...