アウシュヴィッツ・レポート
第二次大戦中、アウシュビッツ収容所で、2人のスロバキア系ユダヤ人が脱走し、収容所でのユダヤ人虐殺の実態を連合国軍に報告した。その結果、12万人以上のハンガリー系ユダヤ人が収容所への強制移送を免れた。この実話を、スロバキアのペテル・ベブヤク監督が映画化した。 前半、脱走して捕らえられたユダヤ人が絞首刑にされるイメージ場面や、主人公の2人が脱走した後、同じ監房のユダヤ人たちが寒空の下、何日間も立たされる拷問シーンはリアリティーがあり、胸をつく。ナチスの将校の内面もしっかり描いている。主人公の脱走劇もスリリングで、ハラハラしながら見守った。ナチスによる惨劇の記憶をとどめている国が作る収容所の描写は...