この1本:「キリング・オブ・ケネス・チェンバレン」 無実の黒人殺される過程
本編が1時間23分というコンパクトな米インディーズ映画である。しかし実際の事件に基づく本作は、その〝時間〟がことさら重い意味を持つ。何の罪もない高齢男性が自宅で目を覚まし、むごたらしく殺害されるまでの経過をほぼリアルタイム進行で映像化した作品だからだ。しかも凶行に及んだのは、市民を守るべき立場の警官なのだ。 ニューヨーク州ホワイトプレーンズの退役軍人ケネス・チェンバレン(フランキー・フェイソン)は、心臓が悪く、双極性障害を患っている。2011年11月19日午前5時22分、ケネスが利用する医療用通報装置が誤って作動し、信号を受信した会社の担当者が地元警察に安否確認を依頼する。それが恐ろしい悲劇...