「梟 フクロウ」 シャープな仕掛けでハンパない緊迫感
17世紀半ば、朝鮮王朝第16代国王、仁祖(ユ・ヘジン)の長男である昭顕世子が、長らく人質として抑留されていた清から帰国した。しかしある夜、体調不良を訴えていた世子が急死。その場に居合わせた若い盲目の鍼術(しんじゅつ)師ギョンス(リュ・ジュンヨル)は、宮廷内の巨大な陰謀の渦中に巻き込まれていく。 主人公のギョンスは病身の幼い弟を養っており、鍼術の腕を買われて宮中入りした苦労人。そんな彼を〝盲目の目撃者〟に仕立て、「仁祖実録」に記された世子の怪死をめぐる歴史上のミステリーを映像化した。ある秘密を抱えて生きるギョンスの人物造形、清との外交関係や国王の世継ぎ問題などの火種がくすぶる宮廷の人間模様、治...