この1本:「午前4時にパリの夜は明ける」 家族のほどよい距離感
1980年代初めのパリ。エリザベート(シャルロット・ゲンズブール)は夫と別れ、10代の2人の子供を1人で育てることになった。仕事を探すうちに自分が好きな深夜のラジオ番組でアシスタントの仕事を見つけ、働き始める。ある晩、聴取者参加コーナーに出演した家出少女タルラ(ノエ・アビタ)に行き場がないことを知り、家に連れて帰る。タルラはそのままとどまって、やがて家族の一員のように暮らし始めた。 不器用で頼りない母親のエリザベート、政治活動に熱心な長女のジュディット(メーガン・ノータム)と詩人を夢見る反抗期の長男マチアス(キト・レイヨンリシュテル)。それに、明るいがどこか影のあるタルラが織りなす、ささやか...