特選掘り出し!:「MONOS 猿と呼ばれし者たち」 少年兵、密林にのみ込まれ
MONOSはスペイン語で猿の意味。アレハンドロ・ランデス監督が、内戦状態にあったコロンビアの現実を下敷きに、人間の中にある暴力を生々しく描き出した。 山中の拠点に、10代半ばと思われる男女8人が暮らしている。反政府ゲリラ組織の少年兵で、人質である米国人女性学者の監視役だ。仲間の一人が、組織から預かった乳牛を射殺し、重圧からリーダーが自殺する。反対勢力から拠点が襲撃され、少年たちはジャングルに逃げ込んだ。 時折訓練をするぐらいで、幼さを残していた少年兵たちののどかな日常が一変。学者が逃走し、仲間もバラバラになる。孤立し恐怖にかられた少年たちは、ジャングルをさまよい、秩序と倫理の縛りを解かれ、...