この1本:「グリーン・ナイト」 奇想の美あふれる冒険
「セインツ 約束の果て」で注目されてから、新作を心待ちにするファンが増えているデビッド・ロウリー監督、新作は中世のアーサー王伝説に登場する騎士の冒険ファンタジーである。根本は「スター・ウォーズ」に通じる英雄譚(たん)だが、波瀾(はらん)万丈の活劇よりも独特の世界観と映像美に圧倒される。 アーサー王のクリスマスの宴会に、全身緑色の騎士が現れた。騎士は居並ぶ円卓の騎士に「ゲームをしよう」と誘いかける。自分の首をはねた者にオノを与える、その代わり1年後に自分を捜し出して首をよこせというのだ。騎士が尻込みする中、青年ガウェイン(デブ・パテル)が進み出て、騎士の首を切り落とす。騎士は悠々と首を拾い上げ...