「福田村事件」が描く歴史の闇 「自粛警察」に通じる〝群れ化〟人間の恐ろしさ 森達也監督「100年前の話ではない」
関東大震災から100年の9月1日、「福田村事件」が公開される。震災直後にあった日本人虐殺事件を、「A」などのドキュメンタリーを手がけてきた森達也監督が映画化した。演出を巡って脚本を担当した荒井晴彦らと「いっぱいケンカした」と振り返りながら、「100年前の事件とは絶対に思ってほしくない」と力を込める。 震災直後、行商人9人が殺害 福田村事件は震災5日後の1923年9月6日、千葉県福田村(現野田市)の利根川沿いで発生した。香川県から訪れていた被差別部落の薬の行商人15人のうち、子どもや妊婦を含む9人が、自警団や村民らによって殺害された。 日本は10年に韓国を併合したが、19年に韓...
井上知大
2023.8.27