「山逢いのホテルで」 女性の気品と自由への渇望
仕立て屋のクローディーヌ(ジャンヌ・バリバール)は自宅で仕事をし、障害のある息子を育てるシングルマザー。毎週火曜日は山間(やまあい)のホテルに行き、快楽を求めて単身の男を選んで誘い、その場限りのアバンチュールを楽しんでいた。ある日、以前に部屋をともにしたハンブルクに住む水力発電の研究家ミヒャエル(トーマス・サーバッハー)とダムの近くで再会、2人はひかれあっていく。 母であると同時に一人の女でもあるクローディーヌの葛藤が語られるが、偏りなく双方を肯定した女性像を構築する。清楚(せいそ)な白いワンピースでホテルに向かう姿に自立した女の威厳を漂わせ、情熱的な恋に落ちる一方で、かいがいしく献身的に息...