「恋する寄生虫」
極度の潔癖症の若者、高坂(林遣都)が見知らぬ男に弱みを握られ、視線恐怖症の女子高校生、ひじり(小松菜奈)の面倒を見ることに。社会に適応できない高坂とひじりは、リハビリの名目でデートを重ねるうちに恋に落ちていく。しかし2人が引き合わされた背後で、ある〝寄生虫〟をめぐる研究が行われていた。 原案は三秋縋(すがる)の同名小説。共に問題を抱えて生きることに絶望し、自分の殻に閉じこもった若い男女が、ぎこちなくも心と体の距離を詰めていく。エキセントリックなキャラクターに切実な感情を吹き込んだ林と小松が魅力的。ロケーション、色遣い、音楽に趣向を凝らしながら、ロマンチックな世界観を構築した柿本ケンサク監督の...