Gints Zilbalodis
1994年生まれ、映画監督「Away」(2019年)監督・製作・編集・音楽「Frow」(2024年)監督・共同脚本・製作・編集・音楽
米アカデミー賞長編アニメーション映画賞というと大手スタジオの娯楽性豊かな大作が相場だったが、今回「インサイド・ヘッド2」などを抑えてオスカー像を手にした「Flow」は、ラトビアのギンツ・ジルバロディスによる監督第2作。登場するのは動物だけでセリフなし、大げさな擬人化もなし。コンピューターグラフィックス(CG)ながら手作り感を残し、豊かな情感があふれるアート色の強いアニメーションである。 物語は水没しつつある森が舞台。文明の痕跡はあるが人間の姿はない。その中を1匹の黒猫がさまよっている。さらなる洪水が押し寄せると水面はみるみる高くなり、いよいよ追い詰められた黒猫が漂流する船に飛び乗ると、先客の...
2025.3.14
5年で日本を3000キロ縦断 東北の震災で家族を失ったジャーマンシェパード犬の多聞(たもん)は、離れ離れになった大切な人に会うため5年の歳月をかけて日本を3000キロ縦断する。その途中で出会った人々は多聞と過ごす時間のなかで心が癒やされ人生に希望を見いだしていく。人と人とをつなげながら旅する多聞はどこへ向かっているのか――。 「ラーゲリより愛を込めて」にもクロという犬が 瀬々敬久監督、林民夫脚本と言えば「ラーゲリより愛を込めて」が記憶に新しい。戦後10年、ラーゲリ(収容所)で強制的に働かされた日本人たち。この生活はいつまで続くのか、果たして祖国に帰れる日は来るのか……と希望を見い...
PR東宝
2025.3.10
洪水に呑まれつつある世界を舞台に、運命に抗うことを決めた一匹の猫の旅路を見つたアニメーション作品。本作は、監督・製作・編集・音楽を一人で手掛けた「Away」(2019年)で、アヌシー国際アニメーション映画祭でコントルシャン賞を受賞するなど、鮮烈な長編デビューを飾ったラトビアのクリエイター、ギンツ・ジルバロディス監督の長編2作目。 2024年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門でプレミア上映を飾り、同年のアヌシー国際アニメーション映画祭で審査員賞、観客賞ほか4冠を受賞。第82回ゴールデングローブ賞アニメーション映画賞にノミネートされた。 世界が大洪水に包まれるなか、ある一匹の猫が居場所を捨て旅...