「ゲバルトの杜〜彼は早稲田で死んだ〜」 集団の論理と狂気の本質
1972年11月8日、早稲田大文学部キャンパスで、第一文学部2年の川口大三郎君が革マル派の「内ゲバ」によるリンチで殺害された。同事件を中心に70年代の内ゲバを追った代島治彦監督のドキュメンタリー。鴻上尚史演出の下、現代の若者たちが川口君殺害事件を再現した短編劇を途中に挟んでいる。 川口君の学友や、事件後に革マル派を追放して新しい自治会を作ろうとした樋田毅(現ジャーナリスト)、別の内ゲバ事件の関係者など十数人の生々しい証言を記録し、当時の学生たちの活動に肉薄している。これらの貴重な証言があるからこそ、当時の早稲田大キャンパス内の映像や写真なども躍動してくる。 地を這(は)うような地道な取材の...