特選掘り出し!:「ジャスト6.5」 闘いの証 麻薬王と刑事、新鋭が剛腕で
薬物犯罪の撲滅に燃える鬼刑事が、不屈の執念で麻薬王の逮捕に挑む。そんなプロットは「フレンチ・コネクション」などで幾度となく描かれてきたが、これはイランで製作された社会派クライムスリラー。冒頭から瞠目(どうもく)すべき見どころが連続する快作である。 まず薬物犯罪取り締まり班を率いる刑事サマド(ペイマン・モアディ)が、売人のアジトや路上生活者のたまり場を急襲する序盤のシークエンスがすごい。路地や空港などの多彩な状況下でアクション、サスペンスを自在に創出し、生々しい臨場感を注入した新鋭監督サイード・ルスタイの剛腕ぶりにド肝を抜かれる。無数の薬物中毒者が留置場ですし詰めとなる群衆シーンには、本物のジ...