永瀬正敏② 「ミステリー・トレイン」ジャームッシュ監督との夢のような1カ月
主演作「箱男」が公開中の永瀬正敏。オーディションで抜擢(ばってき)された「ションベン・ライダー」(1983年)でデビューし、相米慎二監督にしごかれたものの撮影現場の魅力にとりつかれ、宮崎県の高校を中退して単身上京、俳優への道を歩き始める。 「音楽屋みたいだな」オーデションで落ち続け 「ションベン・ライダー」で鮮烈にデビューした永瀬正敏だったが、80年代はなかなか役がつかなかった。「お金がなかったから、古着屋でやっと買った革ジャンでオーディションに行くと、その格好だけで『音楽屋みたいだな』と不合格。俳優らしいってなんだ、と思っていた」。一張羅の服なのに、見かけだけで既成の型に押し...
勝田友巳
2024.8.31