インタビュー:差別描く古典「破戒」 ベテラン脚本家がリメークを決意するまで 加藤正人
日本初の反差別当事者運動団体、全国水平社が、2022年3月3日で創立100年を迎えた。その記念作品「破戒」の脚本を木田紀生と共同で担当したのが加藤正人。「クライマーズハイ」「雪に願うこと」などで知られるベテランでも、部落差別を扱う本作の脚本を依頼された際は、「難しいテーマだ」とたじろいだ。「表現者として逃げてはいけない」と思い直し、約2年かけて書いた。差別の不当さを強く考えさせるだけでなく、上質なエンターテインメントにもなった作品に込めた思いを聞いた。 「私に書けるか」葛藤乗り越え 島崎藤村の原作は、近代日本文学で初めて部落差別を正面から取り上げた傑作だ。長野県の小学校教師...
鈴木英生
2022.7.07