3つの鍵
ローマの高級住宅地で車が建物に衝突。死亡事故を起こした青年の母である裁判官のドーラ(マルゲリータ・ブイ)、1階に妻と娘と共に住むルーチョ(リッカルド・スカマルチョ)、2階で暮らす妊婦のモニカ(アルバ・ロルバケル)ら同じアパートに住む三つの家族の問題が、事故をきっかけに浮かび上がる。 監督はイタリアの名匠、ナンニ・モレッティ。前作の「母よ、」も家族の物語ではあるが自叙伝的な作品で、小説を映画化するのは初めて。監督の多くの作品から感じられるユーモアは鳴りを潜め、隣人や友人に向けられる疑いや思い込み、家族の不和と孤独が交錯し、着地点が予想できないサスペンスのよう。小さな選択が大きな波を生み、10年...