時代の目:ディナー・イン・アメリカ さえないパンク、魂の叫び
風来坊のサイモン(カイル・ガルナー)が警察に追われて逃げ込んだのは、さえないいじめられっ子、パティ(エミリー・スケッグス)の家。パティは過干渉の両親に逆らえず、仕事も見た目も地味で、唯一自分を解放できるのはパンクバンド、サイオプスの曲を聞く時だけだ。実はサイモンは、サイオプスの覆面ボーカル、ジョンQだった。パンクを介してつながった2人が、サイオプスのライブに臨む。 パンクなボーイ・ミーツ・ガールでも、1970年代のロンドンを舞台にした「シド・アンド・ナンシー」の過激さとはほど遠い。米国の殺風景な郊外は、保守的で内向きで、冷めた空気が漂って、パンクのアナーキズムも空回りしがち。サイモン・アンド...