「ドーナツキング」
カリフォルニア州のドーナツ店の9割以上は、カンボジア系アメリカ人の経営だという。その礎を築いたのが、1975年に難民としてアメリカに渡ったテッド・ノイ。初めて食べたドーナツに魅了された彼は、やがて自身の店を持つようになる。家族と共に寝る間も惜しんで働き、巨万の富を手にするが、その先には波乱の人生が待っていた。 ドーナツを入れるピンクの箱の誕生秘話や家族経営の喜びと苦労、大手チェーン店との攻防も描かれ、ビジネスの裏側を描いたドキュメンタリーとしての面白さは十分。アメリカンドリームを成し遂げ、同胞の難民たちに手を差し伸べた聖人のようなノイの影の部分も描かれている。人間の愚かさと弱さにあぜんとさせ...