この1本:「CLOSE/クロース」 思春期の痛切な心
兄弟のように仲の良い幼なじみ、レミ(グスタフ・ドゥ・ワエル)とレオ(エデン・ダンブリン)。互いの家を行き来し、抱き合って眠る。2人も家族も、それが当然と思っていた。ところが13歳で上の学校に上がると級友が「付き合ってるのか」と聞いてくる。即座に否定するレオと、戸惑うレミ。レオはレミと距離を置くようになり、アイスホッケーのチームに加わった。音楽家を目指すレミは、遠くからレオを見つめるだけ。映画の前半は、思春期の友情とも同性愛ともつかぬ感情の芽生えを、繊細に描写する。 デビュー作 「Girl/ガール」 で、バレリーナを目指すトランスジェンダーの少年の痛みを切なく描いたルーカス・ドン監督は、再び少...