時代の目:私は確信する 法の正義、勝利への猛進
裁判映画はハズレが少ない。状況が二転三転する法廷は劇的だし、判決で白黒決するカタルシスもある。事実を基にしたこのフランス製裁判映画、裁判の公正さも怪しくなった時代の反映か、主役は弁護士でも被告でもない。王道からは少し離れているが、やはりハズレではない。 主人公は、妻殺害の罪に問われた大学教授ヴィギエの無罪を信じる、料理人のノラ(マリーナ・フォイス)。1審は無罪だったが検察側が控訴し、第2審が始まる。ノラは頼まれもしないのに敏腕弁護士のデュポン・モレッティ(オリビエ・グルメ)の元に押しかけて弁護を引き受けさせ、一人で育てる息子も仕事もそっちのけで、250時間にも及ぶ通話記録を分析して新証拠を見...