Kristine Kujath Thorp
1992年4月22日 生まれ
世間の注目を集めたい。自分の存在価値を認められたい。そんなSNS時代の〝欲求〟をテーマにした作品はすでにいくつもあるが、これには心底仰天した。ただし刺激の強い映画が苦手な人にはお勧めできない衝撃作、と最初に警告しておく。 主人公はノルウェー・オスロの若い女性シグネ(クリスティン・クヤトゥ・ソープ)。偶然バイト先のカフェで犬にかまれた血まみれの女性を介抱した彼女が、人々の視線を浴びた快感を忘れられず、常軌を逸した言動を重ねていく姿を映し出す。 芸術家の恋人への対抗心にも駆られたシグネの「注目されたい」願望は道徳上の一線を越え、ついには原因不明の皮膚病を引き起こす薬物に手を染める。悲劇の主人公...
2023.10.20
18世紀のデンマークを舞台に、史実を基に描かれる、ある〝家族〟の愛の軌跡を辿る物語。イダ・ジェッセンによる歴史小説「The Captain and Ann Barbara(英題)」に感銘を受けた「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」(2012年)のニコライ・アーセル監督が、同作でタッグを組んだマッツ・ミケルセンに声をかけたことで映画化のプロジェクトが始動した。マッツ・ミケルセンが演じるのは、貴族の称号を懸け、ひとり荒野の開拓に名乗りを上げる貧しい退役軍人のルドヴィ・ケーレン大尉。ケーレン大尉の宿敵となる有力者フレデリック・デ・シンケルを「THE GUILTY/ギルティ」(18年)などのシモン・...
人生に行き詰まっていたシグネは、恋人のトーマスがアーティストとして脚光を浴びると、激しい嫉妬心と焦燥感に駆られる。そして、自身が注目される〝自分らしさ〟を手に入れるため、ある違法薬物に手を出す。薬の副作用で入院することとなり、恋人からの関心を勝ち取ったシグネだったが、その欲望はますますエスカレートしていく。 © Oslo Pictures / Garagefilm / Film I Väst 2022