モンスターハンター  (c) Constantin Film Verleih GmbH

モンスターハンター (c) Constantin Film Verleih GmbH

2021.3.25

映画 モンスターハンター

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

特殊部隊を率いるアルテミス(ミラ・ジョボビッチ)は、行方不明になった仲間を部下と共に探索中、突如発生した砂嵐に巻き込まれる。突風と稲光で意識を失った彼女が目を覚ますと、そこは見たこともないモンスターが暮らす「異世界」だった。次々と襲ってくる巨大な怪物に最新の武器で応戦する彼らを、ミステリアスな男(トニー・ジャー)が見守っていた。

「バイオハザード」シリーズではゾンビと対峙(たいじ)したミラが、またもや闘う強い女を演じる。異世界や怪物が存在する理由を考えている暇はない。ただ生き残るためだけに闘う彼女の姿からは人間の本能が透けて見える。物語そのものに目新しさはないが、モンスターを災害やウイルスに置き換えた時、自らの無力さを痛感すると同時に、それらに立ち向かおうと努力する人類の強さにも気付かされる。世界的人気を誇る日本生まれのゲームに、ポール・W・S・アンダーソン監督がオリジナルのストーリーを加えた。1時間44分。東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズ梅田ほか。(倉)

異論あり

 「戦国自衛隊」のような導入部、主人公の部下を次々と葬る巨大怪獣の容赦ない暴れっぷりに興奮。しかし、その後のバトルシーンに既視感を覚えてしまうのは、過剰に短いカットをつなぐアクションの見せ方に問題があるからだろう。ミラもCGもロケーションも悪くないのだが。(諭)