©2022 Mr.Children「GIFT for you」製作委員会

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2022.12.23

残りの人生は音楽をノー・ボーダーで聞いていこうと気づかせてくれた Mr.Children「GIFT for you」

音楽映画は魂の音楽祭である。そう定義してどしどし音楽映画取りあげていきます。夏だけでない、年中無休の音楽祭、シネマ・ソニックが始まります。

宮脇祐介

宮脇祐介

僕の半世紀以上のミュージック・ライフで大いなる後悔は聞くべき音楽と聞かない音楽に線引きをしてきたことだ。
特に中学の頃パンク・ロックを聞きだしてからそれが激しくなった。
 
40代の後半、業務で日本音楽コンクールと全日本学生音楽コンクールを担当して以来、クラシックは聞くようになっていた。
一つのよい転機だった。
 

背中を押してくれる存在

そんなある日、居酒屋で初対面の女性が熱くMr.Childrenのことを語っていた。
「彼らに会わなければ私の人生は違ったものになっていた」と言うのだ。
「落ち込んだ時や迷った時、背中を押してくれる」とも付け加えた。
以前ならそんな話をさえぎっていたかもしれないが、今はすっと心に残った。
 
それを思い出して「Mr.Children『GIFT for you』」に興味を持って見に行ってみた。


 
このドキュメンタリーはモンスター・バンドMr.Childrenの結成30周年ライブと多くのスタッフ・ファンの証言から構成されている。
 
ライブはMr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランスより2022年5月10日(火)東京ドーム公演 「innocent world」「Any」ほか、2022年6月19日(日)ヤンマースタジアム⻑居公演(初公開)「終わりなき旅」「彩り」「GIFT」ほかが流れる。
 

味噌とか醤油みたいなバンド

彼らの楽曲、歌詞に改めて聴き入った。
いつしか「味噌(みそ)とか醤油(しょうゆ)みたいな生活に密着したバンド」と言う彼女のことばがよみがえってきた。
 
ファンの証言はそれぞれが生活する上り坂、下り坂において応援してくれる彼らの曲に感謝を最大限に語っていた。
話しながら感極まり、泣き出す人も多かった。
そして、ギターの田原健一のステージでの、音楽をみんなの生活に届けたい旨のコメントが大いに一致した。
バンドもファンも同じ目線でこの30年を歩んできたのだ。
もちろん、途中から彼らを好きになった若いファンも含んで。

©2022 Mr.Children「GIFT for you」製作委員会
 

僕と彼らは同じ音楽を聞いていたのだ!

その驚きと共に、聞いたことのある「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」のミュージック・ビデオがエルビス・コステロのパロディーだったことに初めて気がついた。
果たして、僕と彼らは同じ音楽を聞いていたのだ!
それから、なんだが記憶にあるより少しシワが目立つようになったメンバー全員の顔がいとおしく思えてきたのだ。
まるで、郷里の後輩と渋谷のスクランブル交差点でバッタリ再会した時のようだ。
曲と歌詞がすんなり入ってくるようになるのだった。
 

これからはノー・ボーダー

今まで、Mr.Childrenを聞かない音楽の方に勝手に線を引いていたことを大いに後悔させてくれた。
そう改心させてくれるドキュメンタリーだった。
これからの残りの人生は音楽をノー・ボーダーで聞いていこう。
 
2022年12月30日(金)全国公開
ぜひとも劇場にてご覧ください。
 
追伸:くだんの居酒屋の彼女に会合で改めて会った時に、聞くべき3曲を教えてもらった。
「終わりなき旅」、「Any」、「ALIVE」だそうだ。みなさんはいかがですか?

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ライター
宮脇祐介

宮脇祐介

みやわき・ゆうすけ 福岡県出身、ひとシネマ総合プロデューサー。映画「手紙」「毎日かあさん」(実写/アニメ)「横道世之介」など毎日新聞連載作品を映像化。「日本沈没」「チア★ダン」「関ケ原」「糸」「ラーゲリより愛を込めて」など多くの映画製作委員会に参加。朗読劇「島守の塔」企画・演出。追悼特別展「高倉健」を企画・運営し全国10カ所で巡回。趣味は東京にある福岡のお店を食べ歩くこと。