「白頭山大噴火」

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2021.8.26

「白頭山大噴火」

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

北朝鮮と中国の国境地帯にある白頭山が噴火。白頭山の地質を熟知するカン教授(マ・ドンソク)は、地下坑道で人工的な核爆発を起こして圧力を下げる計画を提案する。75時間のタイムリミットが迫るなか、爆発物処理班の大尉(ハ・ジョンウ)と北朝鮮の工作員(イ・ビョンホン)らが決死のミッションに挑む。

韓国で大ヒットを記録した手に汗握るディザスター大作。スケール感あふれる映像とバディーものとしての面白さで見る者を引き込み、大尉の妊娠中の妻(ペ・スジ)との物語には家族愛も織り込む。筋肉ではなく脳を使うドンソクの予想外のキャスティングもハマり、アクションとミステリアスなオーラで魅了するビョンホン、人間味あふれるジョンウと顔ぶれも完璧。韓国ドラマの小ネタも楽しい。韓国映画に欠かせない俳優陣が集ったオールスタームービーとしての満足度も高く、スクリーンで見るにふさわしい娯楽作だ。2時間8分。イ・ヘジュン、キム・ビョンソ監督。東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪ステーションシティシネマほか。(細)

ここに注目

既視感のある予測可能なストーリーではあるものの、友情も家族愛も南北問題もスリルもユーモアも豪華俳優も製作費も、とにかく惜しみなく詰め込まれ、なんだか盛大なお祭りを見たような満足感。いつもと少し違うインテリ風のマ・ドンソクだが、何をやらせても愛くるしい。(久)

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