「赤い袖先」

「赤い袖先」©2021MBC

2024.8.27

坂口健太郎との共演も楽しみ! 韓国の人気俳優イ・セヨンの魅力に迫る!

いつでもどこでも映画が見られる動画配信サービス。便利だけれど、あまりにも作品数が多すぎて、どれを見たらいいか迷うばかり。目利きの映画ライターが、実り豊かな森の中からお薦めの作品を選びます。案内人は、須永貴子、村山章、大野友嘉子、梅山富美子の4人です。

梅山富美子

梅山富美子

坂口健太郎がドラマ「愛のあとにくるもの」で、韓国ドラマに初出演する。恋愛ドラマとなる本作で、坂口と共に主演を務めるのがイ・セヨンだ。韓国の人気俳優であり、坂口との共演でも熱視線が注がれる彼女の魅力に迫る。
 

「赤い袖先」より ©2021MBC U-NEXTで配信中

5歳からキャリアをスタート、「赤い袖先」で視聴者の心をわしづかみに

「愛のあとにくるもの」は、辻仁成の同名小説が原作。潤吾(坂口健太郎)と紅(ホン/イ・セヨン)の切ない愛の軌跡を描く。ホンは日本に留学中に潤吾と出会い、愛を育むも別れ、それぞれ心に思いを抱えた2人は偶然にも5年後に再会する。監督は、「ハナ 奇跡の46日間」(2012年)、「ソウル・バイブス」(22年)のムン・ヒョンソンが務める。
 
イ・セヨンは、1992年12月生まれの現在31歳。子役として5歳のころから芸能界でのキャリアをスタートさせ、芸歴は約26年という超ベテランで、ドラマを中心に活躍している。〝第一次韓流ブーム〟の作品の一つとしても知られる「宮廷女官チャングムの誓い」(03年)では、主人公チャングムのライバル、クミョンの幼少期を演じた。全54話のうち子ども時代は5話まで描かれるのだが、チャングムに複雑な思いを抱くクミョンを、当時11歳ながら圧巻の演技を見せた。
 
ちなみに「宮廷女官チャングムの誓い」は、韓国の平均視聴率45%超えを記録した大ヒットドラマ。日本では04年にNHK-BS2で初放送され、翌年にはNHK総合で地上波放送されるという人気ぶりだった。
 
時代劇とラブロマンスとの相性が抜群のイ・セヨンは、やわらかい雰囲気ながらも芯の強さを感じさせる役柄がぴったり。「王になった男」(19年)で王と王の影武者に翻弄(ほんろう)される王妃役、「赤い袖先」(21〜22年)では朝鮮王朝第22代王イ・サン(ジュノ)との恋に揺れる宮女ドギム役で、多くの視聴者の心をわしづかみにした。
 
特に、「赤い袖先」はイ・サンとドギムの切なく激しい恋模様が多くの視聴者を熱狂させ、当初16話の予定が1話延長するほど人気になり、最終回では最高視聴率17.4%を達成し、有終の美を飾った。さらに、MBC演技大賞では8冠を獲得。イ・セヨンは同賞でミニシリーズ部門女優最優秀演技賞、ベストカップル賞を受賞するなど、彼女にとっても代表作とも言える作品となった。
 

「カイロス~運命を変える1分~」より ©2020MBC U-NEXTで配信中

年を重ね、演技に深みが。坂口健太郎とのケミストリーに期待

清純派な役柄だけではなく、「ヴァンパイア探偵」(16年)では金髪姿のクールな役にも挑戦しており、作品によってはビジュアル含めてまるで違う印象になることも。「カイロス〜運命を変える1分〜」(20年)では、母親のために必死に奔走する役で初のショートカット姿を披露。これまでにない雰囲気の役柄に挑んでいた。
 
落ち着いた声色も魅力のイ・セヨンは、その声で作品全体の空気感を作り出す力を持っており、韓国語が理解できなくてもその声に耳を傾けたくなるから不思議だ。また、無言でたたずむだけでも画(え)になる存在であり、彼女のかすかに揺れる瞳の演技は心を震わせる。
 
年を重ねて演技の奥深さがより増したイ・セヨンの最新作となる「愛のあとにくるもの」では、坂口健太郎とどんな化学反応を見せるのか日韓のファンから熱視線が注がれている。予告映像で、お互いを見つめているワンシーンだけですでに画になる2人が、どのような物語をつむぐのか気になるところ。本作は、韓国の動画配信サービス COUPANG PLAY で配信され、日本ではAmazon Prime Videoで配信されるということで、どんな反響を呼び起こすのか楽しみだ。

ライター
梅山富美子

梅山富美子

うめやま・ふみこ ライター。1992年生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業後、映像制作会社(プロダクション・マネージャー)を経験。映画情報サイト「シネマトゥデイ」元編集部。映画、海外ドラマ、洋楽(特に80年代)をこよなく愛し、韓ドラは2020年以降どハマり。

この記事の写真を見る

  • 「赤い袖先」
さらに写真を見る(合計1枚)