「炎のデス・ポリス」©2021 CS Movie II LLC. All Rights Reserve

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2022.7.15

炎のデス・ポリス

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

米西部の砂漠地帯に建つ小さな警察署を舞台にしたアクション映画である。マフィアに命を狙われる詐欺師(フランク・グリロ)、彼をつけ狙う殺し屋(ジェラルド・バトラー)、射撃の名手である新人女性警官(アレクシス・ラウダー)、マフィアが送り込んだサイコパス男(トビー・ハス)。この立場も思惑も異なる4者が入り乱れ、生き残りをかけた一夜の壮絶な闘いを繰り広げていく。

ひと癖もふた癖もある登場人物たちの攻防を、コミカルな劇画調で映像化。その一方で地下に留置場がある2階建ての警察署の構造を巧みに生かした空間演出、俳優たちの丁々発止の会話劇に引き込まれる。スリルとユーモアをふんだんにちりばめながら、クライマックスに向けてぐいぐい映画のテンション、熱量を高めていくジョー・カーナハン監督の語り口が快調。コワモテの犯罪者たちと渡り合うタフな女性警官に扮(ふん)した若手女優、ラウダーの銃さばきもかっこいい。

1時間47分。東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズ梅田ほか。(諭)

ここに注目

警察署の建物に閉じ込められ、孤立無援となった主人公が生き残りを図る舞台限定アクション。傷を負い、追い詰められて、詐欺師と殺し屋とどちらを信用して牢(ろう)から出すか、駆け引きの盛り上げ方も上々。間違った選択をすると分かっていても、その後の展開も痛快。(勝)

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