「ロザライン」より

「ロザライン」より

2022.10.09

ライター・村山章氏の新作配信お薦め作品5選 10月

いつでもどこでも映画が見られる動画配信サービス。便利だけれど、あまりにも作品数が多すぎて、どれを見たらいいか迷うばかり。目利きの映画ライターが、実り豊かな森の中からお薦めの作品を選びます。案内人は、須永貴子、村山章、大野友嘉子、梅山富美子の4人です。

村山章

村山章

「オンラインの森」筆者が持ち回りで、最新配信作品からお薦めの5作品をピックアップ。毎月10日に更新し、注目ポイントを解説します。ネクストブレークは、きっとここから!
 

© 2022 20th Century Studios

ロミオの知られざる“元カノ”がロミオとジュリエットのロマンスを壊そうと大奮闘⁉

 シェークスピアの「ロミオとジュリエット」に名前だけ登場するジュリエットの従姉妹、ロザラインを主人公にしたコメディー作品。ロミオが自分からジュリエットに乗り換えたと知ったロザラインが、2人の世紀のロマンスをぶち壊そうと奮戦する。主演は11月公開の「チケット・トゥ・パラダイス」でジュリア・ロバーツとジョージ・クルーニーの愛娘を演じているケイトリン・デバー。ジュリア・ロバーツの名作「ベスト・フレンズ・ウェディング」にも似た味わいのキュートでほろ苦い作品になりそうな予感。
 
「ロザライン」
10月14日(金)よりディズニープラスのスターで独占配信開始
監督:カレン・メイン
出演:ケイトリン・デバー、カイル・アレン、イザベラ・モナー、ミニー・ドライバー
 

 © 2022 Disney

1990年代にヒットした映画「飛べないアヒル」の続編ドラマシリーズのシーズン2

 弱小少年アイスホッケーチーム、ダックスの子どもたちと、やさぐれコーチの交流を描いて90年代にヒットした「飛べないアヒル」の続編ドラマシリーズ。強豪チームに成長してスパルタ指導を行うようになったダックスに、新世代の子どもたちが立ち向かう筋書きで、シーズン1では映画版に主演したエミリオ・エステベスも復帰。笑えて心あたたまるディズニーらしい快作だったが、配信が始まったばかりのシーズン2では大人の事情でエステベスが離脱してしまった。子どもたちのはつらつとした姿も魅力なだけに、ここがシリーズの正念場。新キャストのジョシュ・デュアメルのことも期待を持って迎えたい。
 
「飛べないアヒル ゲームチェンジャー」
ディズニープラス ドラマシリーズ
シーズン2がディズニープラスで配信中
出演:ローレン・グレアム、ブレイディ・ヌーン、ジョシュ・デュアメル
 
 

画像提供 Apple TV+ 

ジャズ界の伝説・ルイ・アームストロングの伝記ドキュメンタリー

 天才トランペッターにして「この素晴らしき世界」など名曲をいくつも送り出したシンガー、優れた作曲家で、ジャズという音楽を創り出した立役者でもあるルイ・アームストロングの伝記ドキュメンタリー。Apple TV+はトッド・ヘインズが監督した「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」など音楽ドキュメンタリーに定評があり、ジャズ界にとどまらない巨大な存在であるアームストロングの偉大さと魅力を改めて振り返る絶好の機会になりそう。ルイ・アームストロング教育財団の全面的なサポートを得て、あまり知られていない社会運動への貢献も描かれるという。
 
「ルイ・アームストロング black & blue」
10月28日(金)、Apple TV+にて配信開始
監督:サシャ・ジェンキンス
 
 


フローレンス・ピューが聖なる“奇跡”の真偽に挑む宗教スリラー

 アカデミー賞受賞作「ルーム」の原作者エマ・ドナヒューの小説「The Wonder」を映画化。19世紀のアイルランドを舞台に、4カ月間食事をとらずに生きているという11歳の少女と、その奇跡の真偽を確かめることになる看護師を描くスリラー作品。アリ・アスター監督の「ミッドサマー」に続いてフローレンス・ピューが宗教の闇に足を踏み入れる女性を演じる。ピューとは「レディ・マクベス」で組み、ジェーン・カンピオン監督作「パワー・オブ・ザ・ドッグ」も手がけた撮影監督アリ・ウェグナーが生み出すであろう映像美も楽しみ。
 
「聖なる証」
11月16日(水)17:00からネットフリックスにて配信開始 1時間48分
監督:セバスティアン・レリオ
出演:フローレンス・ピュー、トム・バーク、キーラ・ロード・キャシディ
 
 

画像提供 Apple TV+

ライアン・レイノルズとウィル・フェレルがタッグを組んだ新「クリスマス・キャロル」

 「デッドプール」のライアン・レイノルズと、「俺たちフィギュアスケーター」のウィル・フェレルが主演するクリスマス向けのミュージカルコメディー。原作は、これまでにさまざまなかたちで幾度となく映像化されてきたチャールズ・ディケンズの名作「クリスマス・キャロル」で、レイノルズが3人の幽霊の訪問を受ける守銭奴の主人公を演じる。同原作のミュージカル化は過去にも例があるが、オクタビア・スペンサーやスニータ・マニらバラエティー豊かな共演者を迎えて、どんな現代風なアレンジが施されているかに注目したい。
 
「スピリテッド」
11月18日(金)、Apple TV+にて配信開始
監督:ショーン・アンダース
出演:ライアン・レイノルズ、ウィル・フェレル、オクタビア・スペンサー

ライター
村山章

村山章

むらやま・あきら 1971年生まれ。映像編集を経てフリーライターとなり、雑誌、WEB、新聞等で映画関連の記事を寄稿。近年はラジオやテレビの出演、海外のインディペンデント映画の配給業務など多岐にわたって活動中。