「ロン 僕のポンコツ・ボット」

「ロン 僕のポンコツ・ボット」 ©2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

2021.10.21

「ロン 僕のポンコツ・ボット」

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

あらゆるデジタル機能に加え、持ち主にぴったりの友達まで見つけてくれるロボット型デバイス「Bボット」を誰もが連れ歩き、それを通して仲間とつながっている時代。Bボットを持っていないバーニーはいつもひとりぼっちだ。そんなバーニーがやっと手に入れたBボットのロンはとんでもないポンコツで、友達を見つけるどころか友達の意味も知らない。ロンが巻き起こすトラブルに手を焼きながらも、友達とは何かを教えるバーニー。やがて彼らの関係は特別なものになっていく。

少し未来の、最新のデバイスと共に暮らす子供たちの世界が描かれているのに、昭和育ちの私にも懐かしい。人と違うことの恥ずかしさ、隠していた孤独や不安、大人にはわかってもらえない自分にとっての大切なもの。よみがえってきたそんな感情は、人とのつながり方がどんな形になっても共通しているのかもしれない。サラ・スミス、ジャン・フィリップ・ヴァイン監督。1時間47分。東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪ステーションシティシネマほか。(久)

異論あり

スマホを手放せない現代を風刺するのかと思いきや、問題はプログラミングだという。ネットワークにつながらないと友達も作れないとは、なんだか空恐ろしい。無邪気に笑っている場合じゃない。なんて目くじらを立てる時点で、すでに時代に取り残されているってことか。(勝)

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