誰になんと言われようと、好きなものは好き。作品、俳優、監督、スタッフ……。ファン、オタクを自認する執筆陣が、映画にまつわる「わたしの推し」と「ワタシのこと」を、熱量高くつづります。
2023.4.27
プロサーファーで実業家、エアジョーダンを20足持つ金尾玲生が見た「AIR/エア」
Just do it.
自分が生まれてきた時には当たり前のように身の回りにあったナイキの成功ストーリー、エアジョーダンというバスケットシューズがどのように造られてきたかを実感できる、そんな映画でした。
ジャケットなどの時はあえてジョーダンを履く
ところで、自分はエアジョーダンの魅力にはまり、20足あまりも所有しています。ストリート、カジュアルな格好にはもちろん、フォーマルな格好に合わせて履いてもしっかりときまるのが魅力の一つだと思います。スーツにも合うし、エアジョーダンはさまざまなカラーがあってそれがまた差し色にもなる。スニーカーってなかなか奇麗めな格好にはマッチしないと思われがちですが、それが逆にアクセントになるので、僕はジャケットなどの時はあえてジョーダンを履くスタイルを楽しんでいます。
プロサーファーになった時のことを思い出した
主人公であるソニー(マット・デイモン)は不振だったナイキのバスケケットボール部門を立て直すために、諦めずに何度も挑戦し、行動に移しました。そんな姿が少しだけ若い頃の自分を見ているような気分になりました。なかなかプロサーファーになれず焦っている自分。なのに周りからは「プロにすぐなれる」と言われ続けていました。そんな中何度も挑戦したのですが、うまくいかずもうやめようかなと母親に相談したところ「自分がそれでいいんだったらいいんじゃない」と言われたのです。その一言が引き金になり消えかけていた挑戦する心が再び燃えていきました。自分の中でも「けじめをつける最後の挑戦!」でなんとか成功してプロサーファーになることができました。ソニーの姿がプロサーファーになれた時のことを思い出させてくれましたね。
肖像ロイヤルティーをつけた交渉
映画の中でマイケル・ジョーダンがお母さんの意見を尊重する場面があり、とても自分との共通点があるなと感じました。それにお母さんが契約の矢面になり交渉していたのは衝撃的でした。 契約金だけでなく商品にも肖像ロイヤルティーをつけた交渉は納得でした。アスリートが利益を確保するという現在の基礎をジョーダンファミリーが築いたんだと気づきました。今やそんな契約が当たり前なのですが、まさかここからきているとは思いませんでした。サーフィンもスポンサーがあってプロとして活動するのですが、そこも自分と通ずるところでしたので身近に見られました。
ナイキの勝負には驚き!
自分はプロサーファーだけではなく、会社を設立しアパレルブランド 「SOLID 」を掲げています。会社をうまく経営するにはやはり、リスクを一つでも無くすことだと思っています。在庫を残さないためにはどのようにしたら良いのか。そのためにブランドの人気を上げプロモーションし、有名にし、どう売っていくかを考えています。それが在庫リスクを減らすことにつながります。そう考えるとついついローリスク・ローリターンの思考におちいってしまいます。ですが、映画ではソニーの意見を尊重し、社長が即断しました。エアジョーダン発売というハイリスク・ハイリターンに賭けたのでした。そんなナイキの勝負には驚きましたね。
今で言えば炎上商法
エアジョーダンのデザインがNBAの規定に反していたために、ナイキが罰金を払っていたことは有名な話だけれど、「罰金を支払うことで話題につなげる」という、ルール破りを逆手に取る、今で言えば炎上商法にも似た発想にも、感心しました。新しいビジネススタイルだし、とてもポジティブでそんなやり方があったんだなと。何事もチャレンジしないと成功は生まれませんね。
ナイキで働く人々はなんて魅力的なんでしょう。仲間を信じて Just do it な人たちがいたら、会社も盛り上がるしもちろんブランドも盛り上がるんだろうなと思いいました。いずれは自分もそんなすてきな会社を作れたらなと強く胸に刻みました。
会話劇に、惹きつけられた
オープニングから、飽きることなく素晴らしい映像と素晴らしい音楽、素晴らしい展開であっという間にエンディングとなりました。ほとんどが会話劇なのに、惹(ひ)きつけられてとても熱い気持ちになり、笑える場面もあり感動しました。
とにかくバスケットボール好きの方、ナイキ好きの方は見るべき!そうじゃなくてもとっても楽しめる作品になっています!
映画館ではなかなかレアなエアジョーダンをはいてる方がたくさんいました。自分もこの日はしっかりエアジョーダン1のシャドーを履いていきました。笑
全国公開中。