「GEM Partners」代表の梅津文さんが、独自のデータを基に興行を読み解きます

「GEM Partners」代表の梅津文さんが、独自のデータを基に興行を読み解きます

2021.10.28

データで読解:鑑賞意欲、宣言解除で増加

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)。

緊急事態宣言の解除から4週間。先週末の一般消費者向け調査結果にも、前向きな変化がみられる。映画館での映画鑑賞について「現在もできる~1カ月後にできるようになる」と答えた割合が50%を記録。前回の緊急事態宣言解除後、6月末調査の34%から16㌽増加した。年代別の差も小さくなっている。

心強いヒットもランク入り。初登場1位の人気アニメシリーズ「映画トロピカル~ジュ!プリキュア雪のプリンセスと奇跡の指輪!」は、土日の興行収入1億7000万円を記録。これはコロナ禍前の2019年10月に公開した前作「映画スター☆トゥインクルプリキュア星のうたに想(おも)いをこめて」の1億6000万円を上回る好スタートだ。3位の「007ノー・タイム・トゥ・ダイ」も、最終興収29億6000万円の前作「スペクター」(15年)とほぼ同ペース。それぞれ、コロナ禍で動員が鈍っていたキッズ・ファミリー層、年配層がメインターゲットの映画のヒットである。

1年半以上続いているコロナ禍で生活習慣は変わった。感染状況の収束による意識の変化に加えて、「これは映画館に出かけて見なければ」という「イベント性」による動員力がこれまで以上に必要だ。「プリキュア」のようなヒット事例の連鎖の向こうに、復興が見える。(GEM Partners代表・梅津文)=毎月最終金曜掲載