ひとしねま

2022.3.24

データで読解:豊かな声で極上ライブ

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

アニメ「SING シング ネクストステージ」が初登場1位。「ミニオンズ」シリーズを製作するイルミネーションによる最新作で、2017年3月公開の「SING シング」の続編だ。

公開週末2日間の興行収入は4億4000万円を超えた。前作の5億5000万円には及ばないが、「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」「コンフィデンスマンJP 英雄編」に次ぐ今年3番目の好スタートを切った。

ミュージカルショーの成功に向けて、困難を乗り越えるストーリー。注目は前作同様、歌唱力豊かな人気俳優が声を担当した動物たちによるパフォーマンスシーンだ。「映画鑑賞が『極上のライブ体験』となる」訴求点が、映画館での映画鑑賞に求めるものに合致したようだ。

1月に実施した消費者調査によると、映画館で映画を見ることを後押ししているのは「映像・音響」「イベント」体験である。理由として最大の値の「大画面・高画質」に「大音量・高音響」が続き、音の重要性も増している。また、3D、4D上映などに加えて、IMAXやドルビーアトモスなどの体験価値を高める特殊上映方式や、舞台あいさつなどのライブイベントなども前年比で増加した。こうした需要とマッチして、春の素晴らしい洋画ヒットとなった。(GEM Partners代表・梅津文)

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