データで読解

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2021.11.25

データで読解:再開ムード、多彩に拍車

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

新規感染者数も減少して経済活動の再開ムードが高まる中、映画興行も10月以降、例年同時期の8~9割となる週が増えている。復興のカギは鑑賞者の変化にある。10月に実施した消費者調査を見てみよう。

全国に住む15~69歳のうち、新型コロナウイルス感染拡大以前は映画館に行っていたが、それ以降ないし直近1年間は行っていない「離脱層」は22%。行かなくなった理由は、「コロナ禍の拡大」「見たい作品がない」が挙げられているが、外出機会、映画鑑賞の習慣、動画配信視聴など、「生活・環境の変化」なども広く挙げられている。

コロナ禍はいつか終わる。今後カギになるのは「見たい作品」。人によってさまざまで、バラエティーに富むヒット作が必要だ。どんなに大きくても単発のヒット、一つのジャンルの成長だけでは復興は難しい。

今週のランキングをみると、アニメ映画はキッズ向けから大人向けがそろい、洋画大作もあり邦画の感動ドラマもありと、バラエティー豊か。1位の「映画すみっコぐらし青い月夜のまほうのコ」は、2019年公開の前作を上回るスタートを切った。まさにこのようなヒットのバトンがさまざまなジャンルで渡されることが、コロナ後の映画市場の復活・拡大につながる。(GEMPartners代表・梅津文)

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