イン・ザ・ハイツ

イン・ザ・ハイツ

2021.7.29

イン・ザ・ハイツ

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

多くの移民が住むニューヨークの一角、ワシントン・ハイツ。食料雑貨店を営みながら故郷のドミニカでバーを開くことを願うウスナビ(アンソニー・ラモス)を中心に、若者たちの夢や恋、情熱と挫折を描く。

ミュージカル「ハミルトン」でも脚光を浴びた才人、リン・マニュエル・ミランダが大学時代に生み出して大ヒット、トニー賞4冠に輝いたミュージカルを映画化。監督は「クレイジー・リッチ!」のジョン・M・チュウ。

ヒップホップやサルサなどラテンのリズムに合わせて歌い踊るシーンから伝わるのは、日々を懸命に生きる人たちのエネルギーと連帯だ。500人超のダンサーが集ったシーンをはじめ、バズビー・バークレー風に見せるプールでの群舞、回転する建物で恋人たちが踊るシーンなど、映画版だからこその見せ場もたっぷり。汗や湿度を感じる映像と思わず体を揺らしてしまう音楽を浴び、スクリーンで体感したいミュージカル映画だ。2時間23分。東京・丸の内ピカデリー、大阪・TOHOシネマズ梅田ほか。(細)

異論あり

ミュージカル要素がかなり濃いめ。音楽もそれに合わせた人々の動きもその撮り方も文句なくかっこいいので、ミュージカルが苦手な私でも楽しめそうに思えたのだが、2時間半にも及ぶとその濃度が少しつらくなり、その割にストーリーが物足りないようにも感じてしまった。(久)

新着記事