アンラッキー・セックスまたはいかれたポルノ  © 2021 MICROFILM (RO) | PTD (LU) | ENDORFILM (CZ) | K INORAMA (HR)

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2022.4.22

時代の目:アンラッキー・セックスまたはいかれたポルノ コロナの世、荒廃に一撃

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)。

新型コロナウイルス禍のルーマニア・ブカレスト。教師のエミ(カティア・パスカリウ)と夫とのセックス映像がネットに流出。エミは釈明のため保護者との集会に臨む。筋立ては簡潔だが、語り口は挑戦的で刺激的。災厄を奇貨とし、ルーマニアと現代社会の問題を辛辣(しんらつ)なユーモアとともにえぐり出す、才気走った一作。ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した。

プロローグ、ハードコアポルノのような映像で観客に一撃。虚飾は無用と宣言し、続く3章構成はエミと世の中に率直な目を向ける。町を歩くエミを追う第1章。人々はいら立ち攻撃的で、背後には扇情的な広告や荒廃した建物が映り込む。第2章はルーマニアの歴史や文化についての引用とジョーク集。男性優位、暴力、宗教的抑圧を風刺して、第3章のエミと保護者の対決集会へとなだれ込む。

保護者は差別や選民意識、宗教原理主義を代表し、私的空間の行為だというエミの主張は、子どもや教育を口実にした彼らの下世話な好奇心と嗜虐(しぎゃく)的な非難にかき消される。アクは相当強いが見応えは十分。ラドゥ・ジューデ監督。1時間46分。東京・シアター・イメージフォーラム(23日から)、大阪・シネ・リーブル梅田(29日から)ほか全国でも順次。(勝)

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