「テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR」より ©2023 Trafalgar Releasing.ALL RIGHT RESERVED.

「テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR」より ©2023 Trafalgar Releasing.ALL RIGHT RESERVED.

2023.11.23

テイラー・スウィフトのコンサートフィルム「テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR」鑑賞記。日本とフィリピンの鑑賞スタンスの違いとは

公開映画情報を中心に、映画評、トピックスやキャンペーン、試写会情報などを紹介します。

梅山富美子

梅山富美子

歌姫テイラー・スウィフトがここまで人気だったとは。海外の映画館で目の当たりにしたのは、コンサートフィルム「テイラー・スウィフト:THE ERAS TOUR」の観客の猛烈な熱狂ぶりだった。

「テイラー・スウィフト:THE ERAS TOUR」は、2023年からスタートし、来年2月には日本公演も予定されているテイラー・スウィフトのライブ「THE ERAS TOUR」を記録したコンサートフィルム。今年8月に米カリフォルニアのSoFiスタジアムで行われた同ライブが収録され、ファーストアルバム「テイラー・スウィフト」から現在までのヒット曲が惜しみなく2時間49分ノンストップで続くというファン垂涎(すいぜん)ものの内容だ。


(左上)SM CINEMAに並んでいる人々、(右)グッズコーナーでTシャツなどが販売されていた、(左下)巨大パネル前にて=梅山富美子撮影

観客たちは立ち上がり、歌って踊る! ライブ会場にいるような熱気が

本作を鑑賞したのは、日本から飛行機で約5時間のフィリピン・セブ島。語学留学のために滞在していたセブ島で、10月下旬の週末、セブ市内のショッピングモールにある映画館「SM CINEMA」は10〜20代の女性を中心ににぎわっていた。

上映開始10分前にチケットを購入しようとすると、残っていたのは1席のみという人気ぶり。館内は、テイラーの歴代アルバムを紹介する巨大パネルやグッズコーナーが設置され、パネルと一緒に撮影をするための行列ができるなど映画館がテイラー一色だった。

いざ上映が始まり、テイラーがスクリーンに現れると観客たちは大絶叫。観客のほぼ全員が立ち上がり、幕けを全身で喜んでいた。「ユー・ビロング・ウィズ・ミー」「シェイク・イット・オフ~気にしてなんかいられないっ!!」「22」といった人気曲ではイントロの時点で興奮のあまり叫ぶ人の声が響き、本編が聞こえなくなるほど。観客は、歌って踊って盛り上がり、曲の合間にテイラーが話せば感極まる人たちも。終始、本当のライブ会場にいるかのような熱気に包まれていた。

いわゆる応援上映のような形態なのだが、日本ではありえない光景だったのが、上映中にスマホで自撮りをしている人、友人たちと歌う姿を動画に収めている人や、上映中のスクリーンを撮影している人がいることだった。

もちろん上映中の作品を録画することは禁止されているはずだが、一番後ろの席から見ると、常にスマホのライトがちらほら。後日、現地の人に尋ねても、映画を撮影してはいけないという認識はない様子の人もいたり、著作権の認識の違いに驚愕(きょうがく)した。


ライブを映画館で楽しむも、著作権の認識の違いに驚く

なお、「THE ERAS TOUR」のアジア公演は、日本とシンガポールが予定されているのみ。テイラーのライブを映画館の巨大なスクリーンで楽しめるというのは、世界中のファンにとって重要なことなのかもしれない。ただ、ライブと同じように本編を撮影してしまう、しかも若い世代の人たちが、ということはいかがなものか。

また、テイラーの人気ぶりを恐るべしと思ったのは、公開から1月以上った11月中旬時点でも上映が続いていたこと。同島の別の映画館で9月上旬に「ブルービートル」をた際には観客が自分1人きりだったこと、「オッペンハイマー」「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」といった話題作も約1月で上映終了を迎えていることを考えると、「テイラー・スウィフト:THE ERAS TOUR」のすごさが伝わるのではないだろうか。

ちなみに、同映画の鑑賞料金は550ペソ(約1490円)。IMAXなどスクリーンのタイプ、上映形態によって料金は変わるようで、別の映画館でた「ブルービートル」は350ペソ(約950円)だった。どちらも合皮タイプの座席でゆったり座れるシートで快適。ただ、どちらの映画館も冷房がしっかりといているので薄着は避けた方が良いだろう。

ライター
梅山富美子

梅山富美子

うめやま・ふみこ ライター。1992年生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業後、映像制作会社(プロダクション・マネージャー)を経験。映画情報サイト「シネマトゥデイ」元編集部。映画、海外ドラマ、洋楽(特に80年代)をこよなく愛し、韓ドラは2020年以降どハマり。

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