「長ぐつをはいたネコと9つの命」 ©2022 DREAMWORKS ANIMATION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

「長ぐつをはいたネコと9つの命」 ©2022 DREAMWORKS ANIMATION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

2023.3.24

「長ぐつをはいたネコと9つの命」 星を探しに再び冒険へ

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

前作から10年以上を経ての続編。なぜ今ごろ?感は拭えないものの、内容は充実。

長靴を履いたネコのプスは冒険の日々を過ごしていたが、九つあった命が残り一つしかないことに気付いた。賞金稼ぎに追われる恐怖に耐えきれず、保護ネコホームに逃げ込んで、家ネコとなる。しかし願い事を何でもかなえる「願い星」の存在を知り、命のスペアを手に入れようと一念発起、再び冒険の旅に出る。

快傑ゾロばりのヒーロー、プスに加え、コメディーリリーフ役の「ネコの扮装(ふんそう)をした犬」のペリート、プスの元カノのキティ、願い星を探すライバルのクマ一家ら周囲のキャラクターも魅力的。アクション場面はアメコミ調のカット割りや映像で新鮮味も出し、随所に笑いもちりばめて、ハリウッドアニメの手厚い作り。

信頼や家族の絆など道徳的なテーマも盛り込んで心地よく見られる。しかしプスが「シュレック」で活躍したころと比べて、ハリウッドアニメの存在感の薄さは悲しいばかり。楽しめることは請け合いだが……。ジョエル・クロフォード監督。日本語吹き替え版1時間44分、字幕版1時間41分。東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪ステーションシティシネマほか。(勝)

新着記事